ブーリン家の姉妹  3 宮廷の愛人(上) (集英社文庫)ブーリン家の姉妹  3 
宮廷の愛人(上) (集英社文庫)


著者:フィリッパ・グレゴリー
販売元:集英社
(2010-09-17)
販売元:Amazon.co.jp
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ブーリン家の姉妹  3 宮廷の愛人(下) (集英社文庫)ブーリン家の姉妹  3 
宮廷の愛人(下) (集英社文庫)


著者:フィリッパ・グレゴリー
販売元:集英社
(2010-09-17)
販売元:Amazon.co.jp
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映画になった「ブーリン家の姉妹」のシリーズみたいになってるけど、
分かりやすくそうしているだけで順番もバラバラ。いま4まで出てるけど
時系列では1→4→2→3、かな。原作がどういう風に出ているのか
分からないし、(もしそうだとして)こういう日本版アレンジみたいなのは
好きではないけど、とりあえず同じ世界観で読めるというので仕方ないか。
英語でこの複雑な時代をヨーロッパの人名(同じのありすぎ)やキリスト教圏
&覇権争いの予備知識なしに原書で読むのはハードルが高いから・・・。

さて、この「宮廷の愛人」はヘンリー8世の寵を競った女たちの話から
少し時間が経って、かの有名な「ヴァージン・クイーン」エリザベス1世の時代。
(ちなみに原題はそのものずばり「THE VIRGIN'S LOVER」)エリザベスは
魔女として処刑されたヘンリー8世2番目の妻、アン・ブーリンの娘。
誰のこともも信頼せず、孤独に権謀術数の荒波をくぐりぬけて女王の位に
上りつめた25歳の若き女王。その治世は黄金時代と呼ばれ、独身を貫いた
姿勢からも非常に腹の据わったひとだと言うイメージ。だったけど。

わたしが世界史に疎いからかもしれないけど、エリザベス1世の愛人醜聞
って有名なのかな、全然知らなかった。愛人と目された廷臣にして妻のいる
幼馴染、ロバート・ダドリーとのあれこれの話。後にスペインの無敵艦隊を
破った女王とは思えぬ、フランスのスコットランド侵攻に動揺しきる姿。
完璧な人ではなかった。あぁ、人間だったんだなと思う。

若きエリザベスを女王に戴くイングランドは、外交政策としてエリザベスの
結婚問題が常に議論を呼んでいた。誰とではなく、どこの国と関係を持つか。
頭では国のトップとして「有利な結婚」のためにしか行動しないことを理解し、
実際に心がけているエリザベス。しかし女王であることのプレッシャー、常に
付きまとう死の恐怖、誰も信用できないという孤独に25歳の娘は耐えきれず
あろうことか廷臣であり妻を持つロバート・ダドリーに支えを求めてしまう。

ロバート・ダドリーも一度は罪を負い幽閉される経験をし、復権した身。
現在の地位を必死で守るだけにとどまらず、やがて野心を膨らませて行く。
エリザベスは心が求める愛情と、理性が押しとどめる自らの立場の狭間で
揺れ迷い、やがて秘密裏にある決断をする。


婚姻関係によって国同士の同盟を強固にしたり、破たんさせたり。誰が
誰と結婚して、誰を産んで、誰がどこの国王/女王で・・・っていうこの時代の
ヨーロッパ王室の複雑さ。そこに宗教問題が混ざって頭痛くなるけど、
根回しして駆け引きして裏取引して蹴落として、っていう政治の混とんは
ある意味いつの時代も同じ。まぁ、王が法だったり、血縁関係が物を言う
王政の実態というか感覚はどうしても頭でしかわからないけど。
それでも主人公たちと舞台がきらびやかだし、あまりに違う世界の「物語」
だからとことん楽しめる。フィクション(というか作者の主観)が多少混ざってる
とわかっててもすごく面白い。これ、今後も出ないかなぁ。というか他の作者
でもいいから、もう少し幅広く読んでみるべきだろーか。

あ、実は「微妙」「複雑すぎてよくわからんうちに終わってしまった」と
思ってた映画「エリザベス」を今見直したら面白いのかも!